みなさまは花粉症をお持ちですか?
この記事を見てくださっている方にも花粉症の方は多いですよね
日本人の3-4人に1人は花粉症とされており、国民病の1つにも数えられています!
さらに患者さんの数は徐々に増加しているとの報告あり
外来にも花粉症の患者さんは多く、1回の外来で少なく見積もっても5人は受診されます
週に4回外来するとして年間1000人(5×4×50 同じ人を含め)を診察している計算に。改めて計算してみるとすごい数だ。。。
そこで、今回は年間1000人の花粉症の診察をしている現役耳鼻咽喉科医が花粉症について解説をしていきます。最後までお付き合いいただけますと嬉しいです!
花粉症についてのよくあるギモン
花粉症の仕組み
ひとことで言うと、花粉という「敵」に対する「防衛反応」ですね
花粉が目や鼻から入ってくると、体の中の免疫細胞が花粉に対する抗体を作ります
抗体量は花粉量が増えるにつれて増えていき、ある一定のラインを超えるとヒスタミンなどのアレルギー物質が放出され症状を起こします
ハチに2回刺されたことでおこるアナフィラキシーショックと似たような感じですね
ちなみに花粉症のメインの症状は、この3つと言われています
- 鼻水
- 鼻づまり
- くしゃみ
他にも目のかゆみや涙、あとは意外に多いのはのどの違和感や咳などですね
花粉症の種類
大きく分けると2つに分かれます
- 季節性花粉症
- 通年性花粉症
季節性花粉症
いわゆる花粉症というとこちらを想像される方が多いのではないでしょうか?
代表的なものは春のスギ・ヒノキ、夏のカモガヤ、秋のブタクサ・ヨモギなどですね
特にスギは日本特有のもので、この患者さんが多いことが日本の花粉症の特徴と言われています。また、ヒノキ花粉はスギ花粉と共通の抗原があると言われていてスギ花粉症のある人はヒノキ花粉症もある可能性が高いです。
ちなみにスギの木は年をとってきているので花粉量が減って、いまはヒノキがむしろメインとも言われています!
通年性花粉症
季節関係なく年中鼻がズルズルしている人はこっち
原因の90%はダニ、ハウスダスト(ホコリ)と言われており、その他にもイヌやネコの毛、カビ、ゴキブリなどがあります
治療法
患者さん目線で一番気になるのは治療方法だと思います
流れとして
①まずは抗原を特定
②回避できる抗原は回避
③治療選択
となります
抗原を特定
自分のアレルギーを知ることで抗原回避や根治が可能なものかどうかを知ることができます
具体的には採血検査やパッチテスト(腕などに抗原エキスを乗せて赤くなるかどうか)をすることで調べることができます
抗原を回避
マスクやメガネはもちろん
床や畳をよく掃除する、換気を頻繁にする、絨毯は使わない、布団を天日干しにすることなどが有効とされています
イヌやネコのアレルギーでは飼わないこと、できるだけ室外で飼うことが大切ですね
治療選択
実は花粉症に使用できる薬は本当にたくさんあるので、自分が実際にどのように薬を選択しているかを書きます
①まずは抗ヒスタミン薬(アレグラやビラノア、アレロックなど)もしくは鼻噴霧ステロイド剤(ナゾネックス、アラミストなど)
②良くならなければ両方を併用
③鼻閉症状が強い人には抗ロイコトリエン薬を追加(オノンなど)
ほとんどの方はここまででコントロールできることが多いです
ここで注意!!市販の点鼻薬は血管収縮薬が含まれており、逆に症状が悪化することがあるので長期(2週間以上)は使用しないでください!!
ここまでで良くならない人にはレーザー治療、手術、抗ヒスタミン薬の点滴
根治治療を目指すのであれば免疫療法があります
この辺は長くなるので別の記事にまとめさせていただきます!
妊娠、授乳中で使える薬
妊娠初期 15週までは胎児の発育に大事な時期と言われており、自分は基本的に薬は使用しないほうがいいと考えています
16週以降や授乳中であっても、できるだけ内服は控えて点鼻薬や点眼薬を中心に使用するようにしています。どうしても症状がきついときだけ、最小限のヒスタミン薬を内服するのがベターだと思います。
まとめ
今回は
- 花粉症の仕組み
- 種類
- 治療
- 妊娠中、授乳中の治療
について記事をまとめさせていただきました
今年(2020春)はもともとスギ花粉が少ないこと、コロナ対策でマスク装着が徹底されたことから花粉症患者がかなり少ないと実感しています
この記事を読んで花粉症の疑問が少しでも解消すれば嬉しいです。最後までお読みいただき本当にありがとうございました!
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